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運用上の留意事項1| 家賃交渉・賃料交渉サポート

不動産鑑定評価基準総論(以下「総論」という。) 及び同基準各論(以下「各論」という。) 運用上の留意事項は以下のとおり。

 

T 「総論第2章 不動産の種別及び類型」について

不動産の種別の分類は、不動産の鑑定評価における地域分析、個別分析、鑑定評価手法の適用等の各手順を通じて重要な事項となっており、これらを的確に分類、整理することは鑑定評価の精密さを一段と高めることとなるものである。鑑定評価において代表的な宅地地域である住宅地域及び商業地域について、さらに細分化すると次のような分類が考えられる。
(1) 住宅地域 1) 敷地が広く、街区及び画地が整然とし、植生と眺望、景観等が優れ、建築の施工の質の高い建物が連たんし、良好な近隣環境を形成する等居住環境の極めて良好な地域であり、従来から名声の高い住宅地域
2) 敷地の規模及び建築の施工の質が標準的な住宅を中心として形成される居住環境の良好な住宅地域
3) 比較的狭小な戸建住宅及び共同住宅が密集する住宅地域又は住宅を主として店舗、事務所、小工場等が混在する住宅地域
4) 都市の通勤圏の内外にかかわらず、在来の農家住宅等を主とする集落地域及び市街地的形態を形成するに至らない住宅地域

 

(2) 商業地域 1) 高度商業地域
高度商業地域は、例えば、大都市(東京23区、政令指定都市等) の都心又は副都心にあって、広域的商圏を有し、比較的大規模な中高層の店舗、事務所等が高密度に集積している地域であり、高度商業地域の性格に応じて、さらに、次のような細分類が考えられる。
ア 一般高度商業地域
主として繁華性、収益性等が極めて高い店舗が高度に集積している地域

 

イ 業務高度商業地域
主として行政機関、企業、金融機関等の事務所が高度に集積している地域

 

ウ 複合高度商業地域
店舗と事務所が複合して高度に集積している地域

 

2) 準高度商業地域
高度商業地域に次ぐ商業地域であって、広域的な商圏を有し、店舗、事務所等が連たんし、商業地としての集積の程度が高い地域

 

3) 普通商業地域
高度商業地域、準高度商業地域、近隣商業地域及び郊外路線商業地域以外の商業地域であって、都市の中心商業地域及びこれに準ずる商業地域で、店舗、事務所等が連たんし、多様な用途に供されている地域

 

4) 近隣商業地域
主として近隣の居住者に対する日用品等の販売を行う店舗等が連たんしている地域

 

5) 郊外路線商業地域
都市の郊外の幹線道路(国道、都道府県道等) 沿いにおいて、店舗、営業所等が連たんしている地域

 

U 「総論第3章 不動産の価格を形成する要因」について

総論第3章で例示された土地、建物並びに建物及びその敷地に係る個別的要因に関しては、特に次のような観点に留意すべきである。

1. 土地に関する個別的要因について| 家賃交渉交渉サポート

 

(1) 埋蔵文化財の有無及びその状態について

文化財保護法で規定された埋蔵文化財については、同法に基づく発掘調査、現状を変更することとなるような行為の停止又は禁止、設計変更に伴う費用負担、土地利用上の制約等により、価格形成に重大な影響を与える場合がある。
埋蔵文化財の有無及びその状態に関しては、対象不動産の状況と文化財保護法に基づく手続きに応じて次に掲げる事項に特に留意する必要がある。
1) 対象不動産が文化財保護法に規定する周知の埋蔵文化財包蔵地に含まれるか否か。
2) 埋蔵文化財の記録作成のための発掘調査、試掘調査等の措置が指示されているか否か。
3) 埋蔵文化財が現に存することが既に判明しているか否か(過去に発掘調査等が行われている場合にはその履歴及び措置の状況) 。
4) 重要な遺跡が発見され、保護のための調査が行われる場合には、土木工事等の停止又は禁止の期間、設計変更の要否等。

 

(2) 土壌汚染の有無及びその状態について
土壌汚染が存する場合には、当該汚染の除去、当該汚染の拡散の防止その他の措置(以下「汚染の除去等の措置」という。)に要する費用の発生や土地利用上の制約により、価格形成に重大な影響を与えることがある。
土壌汚染対策法に規定する土壌の特定有害物質による汚染に関して、同法に基づく手続に応じて次に掲げる事項に特に留意する必要がある。
1) 対象不動産が、土壌汚染対策法に規定する有害物質使用特定施設に係る工場若しくは事業場の敷地又はこれらの敷地であった履歴を有する土地を含むか否か。
なお、これらの土地に該当しないものであっても、土壌汚染対策法に規定する土壌の特定有害物質による汚染が存する可能性があることに留意する必要がある。
2) 対象不動産について、土壌汚染対策法の規定による土壌汚染状況調査を行う義務が発生している土地を含むか否か。
3) 対象不動産について、土壌汚染対策法の規定による要措置区域の指定若しくは形質変更時要届出区域の指定がなされている土地を含むか否か(要措置区域の指定がなされている土地を含む場合にあっては、講ずべき汚染の除去等の措置の内容を含む。)又は過去においてこれらの指定若しくは土壌汚染対策法の一部を改正する法律(平成21年法律第23号)による改正前の土壌汚染対策法の規程による指定区域の指定の解除がなされた履歴がある土地を含むか否か。

 

2. 建物に関する個別的要因について| 賃料交渉サポート

(1) 設計、設備等の機能性
基準階面積、階高、床荷重、情報通信対応設備の状況、空調設備の状況、電気容量等に特に留意する必要がある。

 

(2) 建物の性能
建物の耐震性については、建築基準法に基づく耐震基準との関係について特に留意する必要がある。また、建物の構造の安定、火災時の安全、劣化の軽減、維持管理への配慮、温熱環境、空気環境、光・視環境、音環境、高齢者等への配慮に関する事項については、住宅の場合、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく日本住宅性能表示基準による性能表示を踏まえることに留意する必要がある。

 

(3) 維持管理の状態
屋根、外壁、床、内装、電気設備、給排水設備、衛生設備等に関する破損・老朽化等の状況及び保全の状態について特に留意する必要がある。

 

(4) 有害な物質の使用の有無及びその状態
建設資材としてのアスベストの使用の有無及び飛散防止等の措置の実施状況並びにポリ塩化ビフェニル(PCB) の使用状況及び保管状況に特に留意する必要がある。

 

 

3. 建物及びその敷地に関する個別的要因について (1) 借主の状況及び賃貸借契約の内容
賃料の滞納の有無及びその他契約内容の履行状況、借主の属性(業種、企業規模等) 、総賃貸可能床面積に占める主たる借主の賃貸面積の割合に特に留意する必要がある。

 

(2) 修繕計画及び管理計画の良否並びにその実施の状態
大規模修繕に係る修繕計画の有無及び修繕履歴の内容、管理規約の有無、管理委託先、管理サービスの内容等に特に留意する必要がある。

 

V 「総論第5章 鑑定評価の基本的事項」について

 

1. 対象不動産の確定について| 家賃・賃料交渉サポート

(1) 鑑定評価の条件設定の意義

 

鑑定評価に際しては、現実の用途及び権利の態様並びに地域要因及び個別的要因を所与として不動産の価格を求めることのみでは多様な不動産取引の実態に即応することができず、社会的な需要に応ずることができない場合があるので、条件設定の必要性が生じてくる。
条件の設定は、依頼目的に応じて対象不動産の内容を確定し(対象確定条件) 、又は付加する地域要因若しくは個別的要因についての想定上の条件を明確にするものである。したがって、条件設定は、鑑定評価の妥当する範囲及び鑑定評価を行った不動産鑑定士の責任の範囲を示すという意義を持つものである。

 

(2) 鑑定評価の条件設定の手順

 

鑑定評価の条件は、依頼内容に応じて設定するもので、不動産鑑定士は不動産鑑定業者の受付という行為を通じてこれを間接的に確認することとなる。しかし、同一不動産であっても設定された対象確定条件の如何又は付加する地域要因若しくは個別的要因についての想定上の条件の如何によっては鑑定評価額に差異が生ずるものであるから、不動産鑑定士は直接、依頼内容の確認を行うべきである。
1) 対象確定条件について
対象確定条件については、対象不動産に係る諸事項についての調査、確認を行った上で、依頼目的に照らしてその条件の妥当性を検討しなければならない。特に、対象不動産が土地及び建物の結合により構成される場合又はその使用収益を制約する権利が付着している場合において、例えば抵当権の設定のための鑑定評価、設定された抵当権をもとに証券を発行するための鑑定評価等関係当事者及び第三者の利益に当該鑑定評価が重大な影響を及ぼす可能性のあるときは、独立鑑定評価を行うべきでなく、その状態を所与として鑑定評価を行うべきである。

 

2) 地域要因又は個別的要因についての想定上の条件の付加について
想定上の条件を付加する場合において、
ア 実現性とは、依頼者との間で条件付加に係る鑑定評価依頼契約上の合意があり、当該条件を実現するための行為を行う者の事業遂行能力等を勘案した上で当該条件が実現する確実性が認められることをいう。なお、地域要因についての想定上の条件を付加する場合には、その実現に係る権能を持つ公的機関の担当部局から当該条件が実現する確実性について直接確認すべきことに留意すべきである。
イ 合法性とは、公法上及び私法上の諸規制に反しないことをいう。
ウ 関係当事者及び第三者とは、依頼者及び鑑定評価の結果について依頼者と密接な利害関係を有する者のほか、法律に義務づけられた不動産鑑定士による鑑定評価を踏まえ不動産の生み出す収益を原資として発行される証券の購入者、鑑定評価を踏まえ設定された抵当権をもとに発行される証券の購入者等をいう。

 

想定上の条件が妥当性を欠くと認められる場合には依頼者に説明の上、妥当な条件へ改定することが必要である。

 

2. 価格時点の確定について| 家賃交渉・賃料交渉サポート

過去時点の鑑定評価は、対象不動産の確認等が可能であり、かつ、鑑定評価に必要な要因資料及び事例資料の収集が可能な場合に限り行うことができる。また、時の経過により対象不動産及びその近隣地域等が価格時点から鑑定評価を行う時点までの間に変化している場合もあるので、このような事情変更のある場合の価格時点における対象不動産の確認等については、価格時点に近い時点の確認資料等をできる限り収集し、それを基礎に判断すべきである。
将来時点の鑑定評価は、対象不動産の確定、価格形成要因の把握、分析及び最有効使用の判定についてすべて想定し、又は予測することとなり、また、収集する資料についても鑑定評価を行う時点までのものに限られ、不確実にならざるを得ないので、原則として、このような鑑定評価は行うべきではない。ただし、特に必要がある場合において、鑑定評価上妥当性を欠くことがないと認められるときは将来の価格時点を設定することができるものとする。

 

3. 鑑定評価によって求める価格の確定について| 家賃交渉

(1) 正常価格について

 

現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件について
1) 買主が通常の資金調達能力を有していることについて
通常の資金調達能力とは、買主が対象不動産の取得に当たって、市場における標準的な借入条件(借入比率、金利、借入期間等)の下での借り入れと自己資金とによって資金調達を行うことができる能力をいう。

 

2) 対象不動産が相当の期間市場に公開されていることについて
相当の期間とは、対象不動産の取得に際し必要となる情報が公開され、需要者層に十分浸透するまでの期間をいう。なお、相当の期間とは、価格時点における不動産市場の需給動向、対象不動産の種類、性格等によって異なることに留意すべきである。
また、公開されていることとは、価格時点において既に市場で公開されていた状況を想定することをいう(価格時点以降売買成立時まで公開されることではないことに留意すべきである。) 。

 

(2) 特定価格について
1) 法令等について
法令等とは、法律、政令、内閣府令、省令、その他国の行政機関の規則、告示、訓令、通達等のほか、最高裁判所規則、条例、地方公共団体の規則、企業会計の基準、監査基準をいう。
2) 特定価格を求める場合の例について
特定価格として求める場合の例として掲げられているものについての特定価格として求める理由及び鑑定評価の基本的な手法等は次のとおりである。
ア 資産の流動化に関する法律又は投資信託及び投資法人に関する法律に基づく鑑定評価目的の下で、投資家に示すための投資採算価値を表す価格を求める場合
この場合は、投資法人、投資信託又は特定目的会社(以下、「投資法人等」という。) に係る特定資産としての不動産の取得時又は保有期間中の価格として投資家に開示されることを目的に、投資家保護の観点から対象不動産の収益力を適切に反映する収益価格に基づいた投資採算価値を求める必要がある。
特定資産の取得時又は保有期間中の価格としての鑑定評価に際しては、資産流動化計画等により投資家に開示される対象不動産の運用方法を所与とする必要があることから、必ずしも対象不動産の最有効使用を前提とするものではないため、特定価格として求めなければならない。なお、投資法人等が特定資産を譲渡するときに依頼される鑑定評価で求める価格は正常価格として求めることに留意する必要がある。
鑑定評価の方法は、基本的に収益還元法のうちDCF法により求めた試算価格を標準とし、直接還元法による検証を行って求めた収益価格に基づき、比準価格及び積算価格による検証を行い鑑定評価額を決定する。

 

イ 民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、早期売却を前提とした価格を求める場合
この場合は、民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、財産を処分するものとしての価格を求めるものであり、対象不動産の種類、性格、所在地域の実情に応じ、早期の処分可能性を考慮した適正な処分価格として求める必要がある。
鑑定評価に際しては、通常の市場公開期間より短い期間で売却されることを前提とするものであるため特定価格として求めなければならない。
鑑定評価の方法は、この前提を所与とした上で、原則として、比準価格と収益価格を関連づけ、積算価格による検証を行って鑑定評価額を決定する。なお、比較可能な事例資料が少ない場合は、通常の方法で正常価格を求めた上で、早期売却に伴う減価を行って鑑定評価額を求めることもできる。

 

ウ 会社更生法又は民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、事業の継続を前提とした価格を求める場合
この場合は、会社更生法又は民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、現状の事業が継続されるものとして当該事業の拘束下にあることを前提とする価格を求めるものである。
鑑定評価に際しては、対象不動産の利用現況を所与とするため、必ずしも対象不動産の最有効使用を前提とするものではないことから特定価格として求めなければならない。
鑑定評価の方法は、原則として事業経営に基づく純収益のうち不動産に帰属する純収益に基づく収益価格を標準とし、比準価格を比較考量の上、積算価格による検証を行って鑑定評価額を決定する。

 

W 「総論第6章 地域分析及び個別分析」について

 

1. 地域分析の適用について| 家賃交渉・賃料交渉サポート

(1) 近隣地域の地域分析について
1) 近隣地域の地域分析は、まず対象不動産の存する近隣地域を明確化し、次いでその近隣地域がどのような特性を有するかを把握することである。
この対象不動産の存する近隣地域の明確化及びその近隣地域の特性の把握に当たっては、対象不動産を中心に外延的に広がる地域について、対象不動産に係る市場の特性を踏まえて地域要因をくり返し調査分析し、その異同を明らかにしなければならない。
これはまた、地域の構成分子である不動産について、最終的に地域要因を共通にする地域を抽出することとなるため、近隣地域となる地域及びその周辺の他の地域を併せて広域的に分析することが必要である。
2) 近隣地域の相対的位置の把握に当たっては、対象不動産に係る市場の特性を踏まえて同一需給圏内の類似地域の地域要因と近隣地域の地域要因を比較して相対的な地域要因の格差の判定を行うものとする。さらに、近隣地域の地域要因とその周辺の他の地域の地域要因との比較検討も有用である。
3) 近隣地域の地域分析においては、対象不動産の存する近隣地域に係る要因資料についての分析を行うこととなるが、この分析の前提として、対象不動産に係る市場の特性や近隣地域を含むより広域的な地域に係る地域要因を把握し、分析しなければならない。このためには、日常から広域的な地域に係る要因資料の収集、分析に努めなければならない。
4) 近隣地域の地域分析における地域要因の分析に当たっては、近隣地域の地域要因についてその変化の過程における推移、動向を時系列的に分析するとともに、近隣地域の周辺の他の地域の地域要因の推移、動向及びそれらの近隣地域への波及の程度等について分析することが必要である。この場合において、対象不動産に係る市場の特性が近隣地域内の土地の利用形態及び価格形成に与える影響の程度を的確に把握することが必要である。
なお、見込地及び移行地については、特に周辺地域の地域要因の変化の推移、動向がそれらの土地の変化の動向予測に当たって有効な資料となるものである。

 

(2) 近隣地域の判定について

 

近隣地域の範囲の判定に当たっては、基本的な土地利用形態や土地利用上の利便性等に影響を及ぼす次に掲げるような事項に留意することが必要である。
1) 自然的状態に係るもの ア 河川
川幅が広い河川等は、土地、建物等の連たん性及び地域の一体性を分断する場合があること。

 

イ 山岳及び丘陵
山岳及び丘陵は、河川と同様、土地、建物等の連たん性及び地域の一体性を分断するほか、日照、通風、乾湿等に影響を及ぼす場合があること。

 

ウ 地勢、地質、地盤等
地勢、地質、地盤等は、日照、通風、乾湿等に影響を及ぼすとともに、居住、商業活動等の土地利用形態に影響を及ぼすこと。

 

 

2) 人文的状態に係るもの ア 行政区域
行政区域の違いによる道路、水道その他の公共施設及び学校その他の公益的施設の整備水準並びに公租公課等の負担の差異が土地利用上の利便性等に影響を及ぼすこと。

 

イ 公法上の規制等
都市計画法等による土地利用の規制内容が土地利用形態に影響を及ぼすこと。

 

ウ 鉄道、公園等
鉄道、公園等は、土地、建物等の連たん性及び地域の一体性を分断する場合があること。

 

エ 道路
広幅員の道路等は、土地、建物等の連たん性及び地域の一体性を分断する場合があること。

 

(3) 対象不動産に係る市場の特性について
1) 把握の観点 ア 同一需給圏における市場参加者の属性及び行動
同一需給圏における市場参加者の属性及び行動を把握するに当たっては、特に次の事項に留意すべきである。
(ア) 市場参加者の属性については、業務用不動産の場合、主たる需要者層及び供給者層の業種、業態、法人か個人かの別並びに需要者の存する地域的な範囲。
また、居住用不動産の場合、主たる需要者層及び供給者層の年齢、家族構成、所得水準並びに需要者の存する地域的な範囲
(イ) (ア) で把握した属性を持つ市場参加者が取引の可否、取引価格、取引条件等について意思決定する際に重視する価格形成要因の内容

 

イ 同一需給圏における市場の需給動向
同一需給圏における市場の需給動向を把握するに当たっては、特に次に掲げる事項に留意すべきである。
(ア) 同一需給圏内に存し、用途、規模、品等等が対象不動産と類似する不動産に係る需給の推移及び動向
(イ) (ア) で把握した需給の推移及び動向が対象不動産の価格形成に与える影響の内容及びその程度

 

2) 把握のための資料
対象不動産に係る市場の特性の把握に当たっては、平素から、不動産業者、建設業者及び金融機関等からの聴聞等によって取引等の情報(取引件数、取引価格、売り希望価格、買い希望価格等) を収集しておく必要がある。あわせて公的機関、不動産業者、金融機関、商工団体等による地域経済や不動産市場の推移及び動向に関する公表資料を幅広く収集し、分析することが重要である。

 

2. 個別分析の適用について| 家賃交渉・賃料交渉サポート

(1) 個別的要因の分析上の留意点について
対象不動産と代替、競争等の関係にある不動産と比べた優劣及び競争力の程度を把握するに当たっては、次の点に留意すべきである。
1) 同一用途の不動産の需要の中心となっている価格帯及び主たる需要者の属性
2) 対象不動産の立地、規模、機能、周辺環境等に係る需要者の選好
3) 対象不動産に係る引き合いの多寡

 

(2) 最有効使用の判定上の留意点について 1) 地域要因が変動する予測を前提とした最有効使用の判定に当たっての留意点
地域要因の変動の予測に当たっては、予測の限界を踏まえ、鑑定評価を行う時点で一般的に収集可能かつ信頼できる情報に基づき、当該変動の時期及び具体的内容についての実現の蓋然性が高いことが認められなければならない。

 

2) 建物及びその敷地の最有効使用の判定に当たっての留意点
最有効使用の観点から現実の建物の取壊しや用途変更等を想定する場合において、それらに要する費用等を勘案した経済価値と当該建物の用途等を継続する場合の経済価値とを比較考量するに当たっては、特に下記の内容に留意すべきである。
ア 物理的、法的にみた当該建物の取壊し、用途変更等の実現可能性
イ 建物の取壊し、用途変更後における対象不動産の競争力の程度等を踏まえた収益の変動予測の不確実性及び取壊し、用途変更に要する期間中の逸失利益の程度


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